よっしゃ! 気合いを入れるで〜〜
深呼吸して、これから始まる戦いの心構えをする。
本来は駅員に先導されて、ホームに到着する。
しかし、このときからすでに生存競争は始まっている。
みんな誰も駅員の先導なんかに従わない。 我れ先にとホームに走っていく
指定席なのに、どうして走るのか?
荷物があるから
中国人の荷物は、半端じゃなく、ものごっついでかく、多い。
その内容たるや、普通の手みやげから、
鍋釜、布団、鶏(生きている)まで多種多様にわたる。
布団・・・というのは、大方の農民達は、家財道具一式を持って、
一攫千金を夢見て、出稼ぎに都市にやってくる。
彼らの全財産が、ほんとうに鍋釜布団だけなのだ。
一人でなんでそんなに持てるねん?
という突っ込みの解説をすれば・・・
まず背中に1、2個背負う。 そして秘密兵器、天秤棒!
天秤棒の両側に2個ずつぶら下げる。
天秤棒を担ぐ人の根性次第で、荷物は無限に増えていく…という次第。
その荷物置き場の確保をしなければならないから、人民達は先を争ってホームに
走る!
走る 走る
しかし、あああ〜〜
自分の席の車両が、ホームのどこに停車するかわからないから!
・・・駅員も車両の停車位置なんて、知らない。
中国のホームは、
でかい ただただバカでかい。
みんなその停車場所を予想して、右往左往している(あの大量荷物込みで)
そして、列車が到着。
しかし、停車位置が外れると、悲惨。
ほんま、全速力でバカでかいホームを走り抜かなければならない!
なぜなら乗車口に遅れたら、それ以上に悲惨な結果が待っているから。
乗車口では、凄まじい戦闘が、すでに開始されている。
荷物を窓から押し込むわ、ついでに人間も入る込むわ。
戦後の買い出し列車もこんなんやったろうなあ(知らんけど)と思わせる光景に、
ただ呆然
しかしぼやっーーーとしているわけにはいかない。
私も乗車せんとあかんねん〜〜
そんな無理矢理乗らなくても、指定席でしょ? 大丈夫でしょう?
そんな風に思うアナタは、甘い!
人民達は、ものごっつい荷物を持っている。
どの席でもいい。目にして空いた席を素早く荷物で占領して、断じて動かない。
荷物
を武器にするんである。
座席に居座っている彼が、大量の荷物の上に、可愛い幼女など連れていたら、
いくら指定席でも、譲るのが当然、という空気が蔓延して、
か弱い外国人は、すぐに折れてしまう〜〜
だから人民達は少しでも早く車両に乗り込み、荷物の山を押しのけ、かきわけ
指定席と、荷物置き場を確保するために、懸命になる。
何のための指定席やねん〜〜などというグチは、今更ながら空しい。
それでも、幸いなことに指定席に誰も人が座っていないと、安堵する。
ああ〜よかった。
幸せ〜〜 ってちがうやろ!
でも、万が一座れないと、もう地獄
何せ中国の列車旅は、車中1泊2泊と、長距離なんである。
友人は、上海から北京の硬座立ち席1泊2日の後発熱して、1週間寝込みんだもんなあ。
さあ〜〜そして旅の醍醐味。硬座2等車、人間模様はじまり、はじまり〜〜